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日本ではワインを飲んでいなかったにもかかわらず、カナダに留学した日本人は殆どがワインを飲むようになりました。 実際にカナダのワインは値段がお手頃で、味も美味しかったですからね。
では、なぜ日本人は日本でワインを飲まなかったのでしょう? 理由としてはビール、日本酒、焼酎のシェアが大きかったため日本では飲まなかったことが上げられますが、それ以外にワインの品質にも問題があるようです。
ここでは、日本のワインについてまとめてみますので、ワイン好きの方は要チェックですね。
ワインを作る上でブドウを栽培するための環境はとても大切です。 日本では、ブドウの糖度を上げにくいので、ワイン向けの良いブドウを栽培するのは大変難しいと言えます。 そのため、果実の凝縮も乏しくなり、よく熟したブドウが収穫できないのです。
ですから、日本のワインの特徴はよく言えば「飲みやすい」悪く言えば「薄いワイン」となりがちです。 逆に凝縮感のあるアルコール度数の高いワインは特別醸造になりますから、値段が高くなります。
ワイン先進国では良いブドウはワインになりますが、日本では出来が悪くて出荷できなかった生食用のブドウの余りがワインとなります。
日本にはワイン法がありません。 ですから、ワイン先進国に比べれば「偽物のワイン」や「偽物同然のワイン」が出回っています。
日本では酒税法がありますが、実際には税をかけるだけで、品質については細かく言及されていません。 そのためか最近酒蔵の努力で向上した日本酒や焼酎の品質と比べると、ワインの品質はまだまだ発展途上です。
実際に諸外国の生産基準をそのまま持ち込んだら、ワイン醸造そのものが成り立たないような原料ぶどうを醸造家は百も承知で使っていることが多々あります。
日本のワインの品質が低い一番の理由は、日本のブドウは糖度が低いことが理由です。 糖度が低いと、足りない糖度を埋め合わせるために補糖が必要になるからです。
日本でワインに利用されるブドウは糖度が低いため、そのままワインを作ると8、9%のアルコール濃度のワインになってしまうそうです。 さすがにこれではアルコール濃度が低すぎますよね? そこで、ショ糖や含水ブドウ糖を追加する必要があります。 (ちなみに、フランスでもショ糖による補糖は認められていていますが上限があります。 日本では何の制限もないので何でも無制限に補糖することが出来ます。 なお、補糖はフランス以外ではドイツの一部を除いて禁止されています。)
このように、ブドウの果汁を砂糖水で薄めてしまうので、酸味が足りなくなりますから補酸します。
その結果、果汁を足して色づけされているので色が濃く、砂糖水で薄められているため香りが足りない、補糖でアルコール濃度が高く、補酸で酸味がするバランスの悪い不自然なワインが出来てしまいます。
日本では、よくスーパーなどで「無添加ワイン」と呼ばれるワインが販売されています。 これは、一見「酸化防止剤」が添加されていない健康的なワインのように見えますが、実際には最もひどいワインです。
運送中に発酵させないように煮詰めた外国のブドウ果汁を輸入し、発酵させるのに本来不要な酵母をいれます。 そして、安いブドウから作ったジュースでワインを作るので、補糖、補酸もします。
酸化防止剤無添加ワインとは、普通では売れないレベルの低いワインを飲みやすくするために、「健康に良さそうに」見せかけるために「多量の砂糖」「酸」「タンニン」を添加するようなワインのことです。
特徴を理解したいのならばスーパーで売られている1,000円くらいの無添加ワインと、オーストラリアやニュージーランドなどの同じ価格のワインを飲み比べてみてみると良いでしょう。 色が濃くても香りが乏しい場合や、やたらと香りが際立つ場合は出荷時に別のワインやブドウジュースを足したり、輸入濃縮還元ジュースを使った可能性が高いです。 それから苦味や酸味が強くバランスが悪いのも無添加ワインの特徴となります。 ベタベタした甘さが残るのは補糖したワインの特徴と言えます。
もっとも、このように書いている僕もカナダに行く前はかなり「無添加ワイン」を飲んでいました。 実際に飲んでみると、味はかなり甘く言いようによってはフルーティな味がしたと記憶しています。 今思うとたくさんジュースが入っていたのでしょうね。
このような日本のワイン環境でも、いくつかのワイナリーはきちんと国産ブドウからワインを醸造しているところもあります。 もしも本物の日本のワインを楽しみたければ、こちらのワイナリーに訪れてみてはいかがでしょうか?
最後に、ボルドーで以前ぶどうの木が全滅したことがあります。 その時、カリフォルニアのぶどうの木 ・長野のぶどうの木がフランスに送られたことがあります。 それを考えると、日本のワインでも良いワインはすばらしい物なのでしょうね。
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